超音波ガイド下手術外科マスター

ダブルガイド式腱鞘切開器
奈良精工株式会社

整形外科領域の新しい手技、超音波ガイド下手術

近年、超音波診断装置が整形外科領域においても広く注目されるようになり、末梢神経、血管、靭帯、筋肉や腱、関節滑膜など様々な組織に対する検査方法として用いられるようになりました。現在では、診断にとどまらず超音波ガイド下手術の時代を迎えています。
奈良県立医科大学整形外科学教室では、2012 年より県内企業と超音波ガイド下手術専用器具の開発研究に取り組みはじめ、2014 年より全国に先駆けて臨床応用を開始、2021 年には全国の先進的な取り組みを行っている医師が参加する、超音波ガイド下手術・手技研究会を立ち上げました。

奈良県立医科大学および関連施設で行っている超音波ガイド下手術

手指の腱鞘炎(ばね指)は、よくみられる手の障害です。私たちは縫合を必要とせず、安全に早期の日常生活復帰が可能とする手術方法を開発しました。現在、年間100 例以上の手術を実施しています。

また上腕骨外側上顆炎(テニス肘)や、アキレス腱障害、足底腱膜炎に対する低侵襲の手術等をおこなっています。
その他の整形外科手術や手技においても、術前や術中に様々な手技の補助として超音波を用いることは一般的な技術となりつつあります。超音波ガイド下の手技は多岐に渡りますが、三次元的な解剖構造の理解と微細なテクニックが必要です。

私たちはひとりひとりの患者さんにとって最善の治療法を提供できるよう、幅広い治療選択肢について検討していますが、超音波ガイド下手術はさらにその幅を広げることができる方法と考えています。技術を開発、改善するとともに新しい世代の医師に継承することに取り組んでおり、国内、海外からの見学も受け入れています。

整形外科学教室
臨床研修センター講師 仲西康顕